マインドフルネス瞑想では何をするのか?
第一回で説明してきたようにマインドフルネスとは特別な「気付き」を育てること、そしてその気付きの力が働いた心の状態のことでした。
この「気づき」の力を育てるために、①何に気付くのか(What)と②どう気づくのか(How)が重要になります。
何に気づくのか?(What)
マインドフルネスの実践で何に気付くかというと、5感+心(6根といいます)の6つで感じるものに気付きます。
つまり、耳で聞くもの、目で見るもの、肌に触れるもの、舌で味わうもの、鼻で香るもの、そして心で感じる体の感覚・感情・気分・思考を観察します。
これを今ここに起きている時に起きていることに気づきます。
WORD 「六根」
=5感+心
瞑想中具体的には呼吸に注意を集中し呼吸の感覚に気づきつつ、音が聞こえてきたらその音を、思考が流れてきた事に気づいたらその思考を、体の痒みを感じたらその痒みを…
と、その時最も注意を引っ張るものに注意を向けて、その内容を確認し呼吸に戻ります。
中心として呼吸に軸を置きつつも、注意を引かれたらその注意を引いたものをその都度確認するということです。
「今ここ」に起きていることに一瞬一瞬気づく
「今起きていること」に「気付く」ということを一瞬一瞬続けていきます。
そうやって一瞬一瞬今ここに起きている事に意識があり一瞬一瞬に集中することを「瞬間定」と言ったりします。
この時、その6根で感じるものが別々なものとして、心で感じる体の感覚・感情・気分・思考も別々のものとしてはっきりと気付くようにします。
「ああ、これが思考をしているということだな」「これが悲しみという感情だな」とはっきりと別々に感じます。
そうすることでより起きている事をクリアに明確に観察できるようになります。
どう気付くのか?(How)
そして前回説明したように、瞑想は何に気づいているかだけではなくどう気づいているのか、という心の態度がとても重要です。
反応しない穏やかな心、囚われのない心でシンプルに気付きをつなげていきます。
心の態度は説明するとキリがないのですが、大きく分けると下記のようになります。
🌸 瞑想する時の心の態度
- 忍耐強さ
- 反応しない
- 価値判断しない
- 受容
- 手放す
- 慈愛
- 優しさ
- 感謝
- 寛容さ
そしてこのような心でない時には、「心が反応している」「執着している」「怒りがある」「心の余裕がない」などと気づいていきます。
そうして、役にたつ心の態度とは何なのかということを理解し、上にあげたような心の態度でいることがあらゆる状況の中で私達のためになるということを理解していきます。
マインドフルネス瞑想のやり方
ここからは具体的にマインドフルネス瞑想のやり方を紹介します。最後には誘導瞑想の動画も載せているので是非実践してみてください。
🧘🏻♀️ マインドフルネス瞑想の流れ
- ① 姿勢を整える(リラックスしつつ注意力の保てる姿勢)
- ② 深呼吸をし可能ならば余計な緊張を緩める
- ③ 一瞬一瞬呼吸に注意を集中し呼吸の感覚と一体になる
- ④ 注意を逸らすものをラベリングして確認
- ⑤ 穏やかに呼吸に注意を戻す
- ⑥ 六根に触れるものに気づき続ける
- ⑦ 穏やかな心で心と体を観察する
姿勢と環境を整える
まずは環境と姿勢を整えます。
初心者の人であれば、なるべく静かな場所で瞑想に集中できる場所を選ぶのが良いです。
中級者になってくると、雑音がある場所がむしろ訓練する場として役立つことがあります。
心と体は繋がっている
瞑想中の姿勢は皆さんが思っているよりも重要です。
体と心は繋がっていると考えられていて、実際に瞑想をしたりマインドフルネスを日常の中で深めて自分の心と姿勢に意識的になると、その2つの関係性に気づいていきます。
慣れてくると、姿勢をチェックすると自分の心の状態もわかりやすくなるのでとても便利です。
「姿勢を調えることで心も調えることができる」という考えも一部の仏教であります。
姿勢を整えてから瞑想を始めると、姿勢が心を助けるように穏やかで集中できる心の方に導いてくれます。
基本は座った姿勢をとろう
姿勢は座った姿勢が一番イメージがつきやすいかもしれませんが、立った姿勢や仰向けの姿勢、歩きながらのマインドフルネス瞑想などもあります。
歩く瞑想については、あまり聞いたことがない人も多いかもしれませんが仏教のマインドフルネスでは静坐瞑想(座って行う瞑想)と共に、とてもポピュラーな瞑想です。
目を開けて歩いて足の裏の感覚などを観察対象にする瞑想で、落ち着いて座ることが難しい状況にある人などにもおすすめです。
ココイマの誘導瞑想は基本的には座って行う静坐瞑想の誘導瞑想を作っていますが、今後歩く瞑想についても解説したいと思っています。
基本は座った姿勢をおすすめしますが、体に不調があるなどで座る姿勢が苦しい方はご自身がリラックスできる姿勢で行ってOKです。
キーワードは「リラックスしていて注意力の保てる姿勢」
瞑想中にどんな心持ちでいればいいかというと、先に説明した心の態度も重要ですが、「リラックスしていて、かつ注意力が保てる」心も大切です。
そして姿勢ではそれを体現するような姿勢を取ります。
つまり、しっかりと背骨は伸びているけれど、その他の体の部分はリラックスした状態です。
背筋がしっかりと伸びていると意思力が維持され、瞑想中にしっかりと意識的に「今ここ」に気付くことができる様になります。
どっしりと安定した姿勢
また、瞑想に集中できるように安定した姿勢であること、瞑想中に体が痛くならないように無理のない姿勢であることも重要です。
(床に座る場合)・・・床に座る場合は両膝とお尻の3点でしっかりと体を支えられるようにします。
両足の踵(踵)を自分の体の中心である会陰の前に揃えるように置いて座る安楽座、ありは片方の足の踝(くるぶし)から下辺りをもう片方の足の腿(もも)に乗せる半跏趺坐(はんかふざ)がやりやすいと思います。
お尻のあたりに高さを出すと骨盤が自然と少し前傾し、背筋が気持ちよく伸びるので坐布を敷いたり座布団を折ってお尻の下(お尻の後ろの方)に敷くと安定して楽な良い姿勢が取りやすいです。
高さを出す場合は、大体20センチくらいの高さを目安にしてください。
(椅子に座る場合)・・・椅子に座る場合はソファなどの柔らかく姿勢が崩れやすいものではなくなるべく普通の椅子を選んでください。
脚の裏をしっかりと床につけて脚は肩幅程に開きます。腿から膝、膝から下が直角になるようにします。
どちらの姿勢でも、骨盤を少し前傾にすると自然と気持ちよく背筋が伸びます。顎を軽く引き、骨盤から首、頭が自然なカーブを保ちながら一直線になるように意識してみてください。
もし、怪我をしている、痛みがあるなどで座った姿勢を取れない人は、「リラックスできてかつ注意力が保てる」をキーワードに自分に合った姿勢をとってくださいね。
深呼吸しながら体の余分な緊張を緩める
姿勢を整えたら何度か深呼吸をしながら余分な体の力を抜き、姿勢を微調整していきます。
吐く息で体の力が抜けるようにイメージして、力が入っている所を順番に緩めていきます。
胸を開いて肩を落とし、眉間やこめかみ顎など力の入りやすいところの力を抜いてください。お腹も緩めて、できれば腹式呼吸ができるようにします。
ここで伸ばした背筋がさらに自然とスーッと上に伸びていくのを感じてください。
体がリラックスしていると心が繋がっているので心も穏やかになり、穏やかな気づきを保つことができます。
「あるがまま」の方が重要
瞑想を続けていると中にはリラックスできないな、と感じる時があります。
心が過度に不安や恐怖などに囚われている時や、自分で気づかない心の緊張がある時です。
あるいは、リラックスしたり深呼吸が全くできないという方もいます。
そんな時はその状態をあるがままに受け入れ、体が緊張しているのだなと気づいてただ穏やかにそのことに気づいてください。
深く呼吸ができないということであれば、それもそれでOKなのでそのまま瞑想に入りましょう。
(※瞑想することが適していない方もいらっしゃるので、その点はご留意頂き専門家に相談したりご自分の状況を見て判断してください。)
矛盾しているようにも聞こえるかもしれませんが、色々「こうしてください」という事は瞑想中あるのですが、もしそれができなければそれでよしです。
リラックスできない、穏やかな心になれない、そのことに気づき心とはどういうものであるかに気づいていく時間が瞑想だからです。
そうしてあるがままの心や体を観察し、私達の心と体を理解していく中で心穏やかに、よりよく生活するための智慧が現れてきます。
ですので「あるがままに現実に起きている事に気付く」ということがリラックスすることよりも重要な事だと覚えておいてください。
(とはいえ、リラックスできると心も穏やかになるので出来るのであればするという感じです。)
アンカー⚓️(ホームベース)を決める
次にアンカー(ホームベース)を決めます。
アンカーとは何かというと、船の錨のことで、現在の瞬間と意識をつなぐものであることからアンカーと呼びます。
あるいはホームベースとも言い、私達が外に出ても家に毎日帰ってくるように、瞑想中にいつも戻ってくる場所となります。
アンカーは中立的
このアンカーは自分の心が掻き立てられることのない中立的なものを選びます。
基本的には呼吸です。
私達は未来の呼吸も過去の呼吸も感じることはできませんから、呼吸の感覚に注意を向けることで「今ここ」と繋がることができます。
また、呼吸には「吸う」「吐く」そしてその間の「間」があったり、吸う時も最初は勢いがあるけれど途中からゆっくりになったりとリズムがあります。
このリズムがある性質によって心が「今ここ」に留まりやすくなり、アンカーの第一の選択肢となっています。
ただ、呼吸の疾患があったり花粉症などで呼吸に対して苦しい気持ちがある、中立な注意を向けることができない場合などはその他の対象をアンカーとして選んでください。
⚓️ アンカーの例
- 呼吸
- 周囲の音
- 体の感覚(椅子の座面とお尻が触れている感覚など)
- 見るもの(蝋燭の火など)
呼吸に注意を集中し呼吸の感覚と繋がる
アンカーを呼吸に設定したと仮定して進めます。
次に行うのは呼吸に気づくということです。
呼吸と共に変化する体の感覚に注意を向けて、呼吸の波にピッタリと意識を合わせるように一瞬一瞬呼吸の感覚を感じます。
自然な呼吸に任せコントロールしない
呼吸に注意を向けているとコントロールしてしまうような感覚が出てくるかもしれませんが、なるべく自然な呼吸に任せるようにしてください。
この時呼吸を深くしようとする方もいますが、浅くても深くてもどんな呼吸でも問題ありません。
瞑想は呼吸の練習ではなく気づきの練習です。
ただここにある呼吸をあるがままにそのままにし、ただ呼吸に意識を向けてしばらく呼吸の感覚に注意を向けます。
集中の対象(アンカー、ホームベース)を決める
ここで呼吸の中でも一番呼吸を鮮明に感じられるところを一つ決めて、その場所に注意を集中します。
鼻の先で出入りする空気の感覚、喉の裏を通り胸まで流れる呼吸の感覚、胸の膨らみ縮み、お腹の膨らみ縮み、体全体で感じる呼吸の感覚など、自分が一番わかりやすい場所を選んでください。
初めての人はお腹を選ぶことをお勧めします。
好奇心を持ってよく観察する
過去の呼吸も未来の呼吸も私達は感じられないので、呼吸への注意を保つ事によって私達は「今ここ」と繋がることができます。
その呼吸のリズムを好奇心を持って観察してください。
私たちが普段「呼吸とはこういうものだ」と思っている思い込みを捨てて、あるがままに起きている呼吸の感覚を観察します。
それが現実を確かめることにつながっていきます。
吸う息と吐く息の始まり、途中、終わり、そして間があることに気づく
息が入ってくる感覚、息が出ていく感覚、吐く息と吸う息の間の間、吐く息の始まり、途中、そして終わり、吸う息と吐く息の間。
よく観察すると一瞬一瞬呼吸の感覚が変化していることに気づきます。
呼吸のリズムを感じながら一瞬一瞬取りこぼしなく気付きを繋げていきます。
しばらく呼吸に注意を集中し、集中力と穏やかさを養います。
注意を逸らし、心を引くものをラベリングする
呼吸に注意を向けながら、心を強く引く対象(六根)があればそれを確認(気づく)します。
確認するのは注意を向ける対象である呼吸よりも強く意識を引っ張られる場合です。
もし注意を引っ張るものがそんなに意識を占領していなくて、呼吸への注意ができていれば確認せずに呼吸の感覚に集中していて大丈夫です。
ここでラベリングというテクニックを使って、その対象を短い言葉で名前をつけて、対象をはっきりと認識します。
ラベリングとは?
ラベリングとは、ラベルを貼るように気づいた対象に名前をつけて確認することです。
WORD 「ラベリング」
=ラベルを貼るように気づいた対象に名前をつけて確認すること
例)
- 車が通りその音に気が逸れたとしたら「聞いた、聞いた」
- 不安な感情がありそれが心に触れたら「不安感、不安感」
- 思考が働きはじめたら「考えた、考えた」
といったように、短い言葉で繰り返します。
その対象が注意を引く力がなくなったら呼吸に注意を戻します。
ラベリングは声には出さずに心の中で行います。
- 穏やかな優しいトーンで言う
- 注意を引くものに気づくことにエネルギーをかける
- 完了形か過去形か名詞で言う
1) ラベリングは優しく穏やかな言い方で行ってください。
批判的な声のトーンで行わないようにします。
2) ラベリングは注意を引くものが先にありそれを認識することが9割、ラベリングするエネルギーが1割のイメージで行います。
ラベリング自体が自動的に適当にならないようにします。それだとマインドフルではなくなってしまいます。
3) ラベリングは完了形や過去形、あるいは名詞で行います。
例えば音が聞こえたら、「音、音」「聞こえた、聞こえた」などです。
まず起きていることを確認することが先、そしてラベリングをすることが後からついていきます。
ラベリングによって気づきの対象と距離がとれる
ラベリングを行う事によって、前回説明したように自分に起きている事が対象化され、影響されない少し離れたところから観察できるようになっていきます。
観察すると、その対象からの影響力が減って注意を引かなくなっていきます。「気づく」ことによって対象が消えていくのです。
なので、気づきを向けると呼吸に戻れるようになります。
ココイマより
ラベリングのテクニックは自転車に乗るのに練習が必要なように、最初はぎこちなくむしろラベリングしない方が気付きやすいと感じる人もいるかもしれません。少し練習をして様子を見てください。 また、ラベリングをしないで瞑想をする人もいるので最終的には自分のやりやすい方で行ってください。
穏やかにそっと呼吸に注意を戻す
気を逸らしたものに気づいて、注意を引く力が弱まったら、また呼吸に戻ります。
この時、心が彷徨った事に対して自己批判を始める必要はありません。
ただ、そっと優しく誘うように呼吸に注意を戻して下さい。
何度心が呼吸から離れても問題ではありません。それよりも何度呼吸に戻る(気付く)ことができるかが重要です。
思考の中に囚われて没頭する時間を少なくして、なるべく早く気づいて呼吸に戻るように意識して行ってください。
- 呼吸から注意がそれたことに自己批判をしない
- やさしく呼吸に注意を戻す
- なるべく早く気づいて呼吸に戻る
六根(5感+心)で感じるものに気づき続ける
この後はこの繰り返しで、呼吸の中で穏やかな気づきの土台を育みながら、六根に触れるものがあればそれをはっきりと認識し、そっと呼吸に戻ります。
これは、基本は家の中の心地の良い椅子に座っていて、外から声をかけられたらその都度「誰ですか?」とドアを開けて確認するようなイメージです。
ここまでが瞑想中「何に気づくか」というWhatの説明になります。
マインドフルネス瞑想のやり方(How:どのような心の態度を持つか)
マインドフルネスの心の態度は大雑把に説明するならば上記のようなイメージです。
一つ一つ詳しく話そうと思うと限りがなくなってしまうので、この中の一部を少しだけ解説します。
普段やっていることをやめていく=Non-doing
ここまでで「気づいて下さい」「穏やかになって下さい」と言ってきましたが、一番の瞑想のコツは普段の心の反応をやめていくことです。
どういうことかというと、私達は普段心の反応を繰り返して心が混乱していて、それはかき混ぜられて茶色くなった泥水によく例えられます。
最初は茶色い泥水でも、安定した場所において静かに時間をとって待つと何が起きるでしょうか?
そうです、砂や泥の粒子が次第に沈澱してクリアな水が現れてきます。
実は心も同じで、普段心の反応で混乱した心も、静かなところにおいて反応しないようにしながら座っていると穏やかな澄み渡った心が現れてきます。
これを英語で普段私達が何かをする「ドゥーイングモード(doing mode)」に対し、「ビーイングモード(being mode)」、ただあること、存在する状態と説明されたりもしますが、私は普段やっていることをやらないという意味を込めてNon-doingと説明したりします。
瞑想のコツは普段行っている心の反応をやめていくことと覚えて下さい。
拒絶することも抑圧することもないオープンな態度
この講座の第一回の説明で既に軽く触れましたが、マインドフルネスは広大な空が雨も雲も雷も山も人も受け入れるように、全てのものを判断せずに暖かく受け入れる様なオープンな態度を含んでいます。
私達は普段「好き/嫌い」「正しい/間違っている」というような評価価値判断を加えて拒絶か執着の反応をしているので最初はとっても難しいです。
瞑想中は心地の良い感覚を求めたり、痛みや思考を拒絶しようとしたりします。
そのような反応は習慣化し深く私達の心に根付いています。
嫌なことは抑圧して無かった事にしようとしたり、拒絶して逃げようとしたりします。あるいは囚われて飲み込まれてしまうかもしれません。
ロジカルに考える人は抑圧しやすく、感情に囚われやすい人は飲み込まれがちです。
そしてこの評価/価値判断をしたり、それに対して心が反応(拒絶や執着)している限り心は穏やかになることはありません。
広大な空のようなオープンで受容的な心
ではどうすればいいか?
それは広大な空のようなオープンで受容的な心を持つことです。
空には色々な雲が流れています。大きな雲や小さな雲、雨雲、雷雲、雨が降ることもあれば嵐になることもあります。
ですがどんな天気でも空はいつもそこにあり、オープンで受容的にあるがままにどんな天気もそこにいさせています。
瞑想ではそんな広大な空のように、どんな感情や思考があっても、集中ができなくても、そういう時こそ練習する絶好のチャンスだと思って、ただそういう心に気付き、穏やかに反応しない静寂な心を保つように意識してください。
拒絶することも抑圧することもないオープンな態度
瞑想では、「一瞬一瞬起きていることに気づく」こと、瞬間定を育てていくとお話しました。
これは心は今ここに滞在し、現在にとどまり続けるということです。
そしてこれは、これまでに起きたどんな事も許し許容する態度を含みます。
もし呼吸に集中できないことを「上手くいかない」「自分は何をやってもダメだ」などと自分を責め始めたら、自分の思考のヴァーチャルの世界の中に入って思考に囚われた状態になり、今この瞬間に気付けなくなってしまいます。
「今ここ」にあることとは許容的受容的態度があるということなのです。
そして瞑想というのは、自分の心に起きていることを観察することなので、自分の心に起きていることを受容する、つまりこれは自然と自己需要に繋がっていき、自分をありのままに受け入れたり、自分に対しての優しさが育まれていきます。
心と体を観察することで真理に気づく
本講座の第1回でもお話ししましたが、私達は普段心に無意識に従っている状態で、心が何をしているのかに気づいていない時間が多くあります。
現実に心とはどういったもので、
瞑想は心と体を観察し、思い込みを訂正し現実に気づいていくことです。
知識的に知るのではなく、腹落ちして心からそうなんだと理解するように観察していくことです。
瞑想の中で心が呼吸以外のものに注意を引かれた時、その時私達は心が何に注意を惹かれたのかに気づき、心の働きを理解することができます。
また、体で起こることを観察することによって物事の真理に気づきます。
知識的に知るのではなく、腹落ちして心からそうなんだと理解するように観察していくことです。
瞑想では、知識的に知るのではなく、自分が科学者になったように自分の心の目で調べ確かめたことだからこそ、腹落ちして心からそうなんだと理解できるようになっていきます。
心のありのままの性質を知り、心とうまく付き合っていく
ここまで「穏やかに、反応せずに・・・」という説明もしましたが、マインドフルネス瞑想とは現実に気づく練習です。
ですから、何が起きていても瞑想中に修正すべきものはなく、ただ気づきさえあればマインドフルネス瞑想になっています。
最初集中できないことにフラストレーションを感じる人がいますが(集中することも必要ですがマインドフルネスの最終的な目的ではないです)、もしそう感じたなら「苛立った、苛立った」とそう感じていることを気づきの対象としてラベリングし、呼吸に穏やかに戻ってください。
心の反応に気づいていれば、「何故苛立ったのか?→集中したいという欲を持ったから」などと気づけるようになっていきます。
そうやって心の性質を知り、心と親しくなり、心とうまく付き合っていくことを学び磨いていくのが瞑想の場なのです。
マインドフルネス瞑想実践(誘導瞑想)
ここまで説明が少し長くなりましたがなんとなくどのように瞑想するのか理解できたでしょうか?
ここで一度実践し、ここまで学んだことを踏まえてやってみましょう。どんな体験があったのか自分の体験をよく覚えておきましょう。
瞑想の体験はいかがでしたか?
いかがだったでしょうか?呼吸の感覚の中で少しでも安らぎを感じることができたでしょうか?何か考え事をしてしばらくの間呼吸から離れていたでしょうか?
最初は刺激のない環境で静かに座っていることに慣れないので、それ自体にイライラしてしまう人も多いと思います。
ですがどんな体験もOKです。どんな体験にもありのままに起きていることに気付いていることが練習になります。
そして練習を続け、静かに「気づく」「気づく」と繰り返していく中で心が変化していくことに気づく時がきます。
これはサナギが蝶になるのを待つようなもので、時間が必要です。早くしたいからといって、まだ準備ができていないサナギを開けても蝶がでてくることはありません。
むしろ台無しになってサナギも蝶もいなくなってしまいます。
一歩一歩「気づく」ことを繰り返すことで階段を一段一段登っていくように穏やかな心に近づいていくので、今起きていること(呼吸の感覚や生じてくる思考や感情)に気づくことを大切にして、結果はある意味任せるように続けていって下さい。
最初はとくに忍耐強さが大切になります。
ココイマより
次回第3回の講座では、この瞑想体験をベースにより深い説明をしていきます! まだ第1回を読んでいない方は、良かったら読んでみて下さいね🌸